弁護士法人宇都宮東法律事務所

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コラム

下請法について(前半)


2021年02月25日コラム

当事務所における中小企業のご相談の中で「下請法」の適用が問題になることがあります。
(下請法の正式名称は「下請代金支払遅延防止法」といいますが、略称で「下請法」と言われています)
今回はこの下請法について、概要をお話していきます。

(1)下請法の適用の有無について
まず下請法の適用がある法律関係はどのようなものか?お話していきます。
この適用範囲を判断するうえで①委託取引の内容、②適用事業者、の視点が大切になります。

①委託取引の内容としては以下が挙げられます。
ア 製造委託(下請法2条1項)
イ 修理委託(下請法2条2項)
ウ 情報成果物作成委託(下請法2条3項)
エ 役務提供委託(下請法2条4項)

エは、具体的には役務の提供を業として行っている事業者が提供の目的たる役務の提供行為の全部又は一部を他の事業者に委託することをいいます。
提供の目的たる役務というのは、委託事業者が他社に提供する役務のことであり委託事業者が自ら用いる役務は含まれません。

以上に関連して、商社が取引に関与した場合、商社が下請事業者に該当するかどうか等が問題になることがあります。

これについては、商社が以下に述べる下請法の資本金区分を満たす発注者と外注取引先の間に入って取引を行うけれども、製造委託等の内容(製品仕様、下請事業者の選定、下請代金の額の決定等)に全く関与せずに事務手続の代行(注文書の取次ぎ、下請代金の請求、支払等)を行っているにすぎないような場合には、その商社は本法上の親事業者又は下請事業者とはならず、発注者が親事業者、外注取引先が下請事業者となります。したがって、この場合には商社は下請法上の親事業者又は下請事業者に該当しないということになります。

一方で、商社が製造委託等の内容に関与している場合には、発注者が商社に対して製造委託等をしていることとなり、発注者と商社の間で本法の資本金区分を満たす場合には、商社が下請事業者となります。また、商社と外注取引先の間で本法の資本金区分を満たす場合には、当該取引において商社が親事業者となり、外注取引先が下請事業者となります。

②適用事業者について以下、述べていきます。
適用事業者は、

ア 物品の製造委託・修理委託
イ プログラム作成にかかる情報成果物作成委託
ウ 運送、物品の倉庫における保管および情報処理にかかる役務提供契約

において、以下の資本金区分を満たすことが必要になります。
親事業者 下請事業者
資本金3億円超の法人 資本金3億円以下の法人(または個人)
資本金1千万円超3億円以下の法人 資本金1千万円以下の法人(または個人)
そして、
エ情報成果物作成委託(プログラムの作成を除く)
オ役務提供委託(運送、物品の倉庫における保管および情報処理を除く)
においては、以下の資本金区分を満たすことが必要です。
親事業者 下請事業者
資本金5千万円超の法人 資本金5000万円以下の法人(または個人)
資本金1千万円超5千万円以下の法人 資本金1千万円以下の法人又は個人
以上の場合に下請法の適用があることになります。
おわかりいただけましたでしょうか?適用の有無についての判断は素人では難しいと思います。ぜひ当事務所へご相談ください。
次回は、下請法の適用がある場合にどのような法的効果が生じるか、を述べていきます。