債権法改正について
2020年05月18日コラム
「民法の一部を改正する法律」すなわち債権法の改正があり、2020年4月1日に施行されました。
日本の民法は明治29年に成立し明治31年に施行され、それから120年以上経過するも抜本的な改正がなされずに来ていました。
改正に至った理由としては、
- 条文にないルールが機能している
- 判例学説によるルール補充がなされてきた
- 現在の経済情勢に適合しない
- 法律の専門家のみが知っているルールがある
私達弁護士は受験時代、条文の意味を解釈するためのたくさんの判例を勉強してきました。私達法律家は当然ながら知っているとしても一般の方が民法を見ても条文には記載のないルールが存在し内容が分からない・・・といったことは多くの場面であったように思います。
また、改正前の民法の法定利率は5%でしたが、現在の経済状況からすれば高いものとなってしまいます。
分かりづらく、現在の経済情勢に合わない民法でしたが、そもそも民法って何のためにあるのでしょう?
法務大臣は法制審議会に対して民法のうち債権関係の規定の見直しを行うことを諮問し(平成21年10月28日)、その諮問において「民事基本法典である民法のうち債権関係の規定について、同法制定以来の社会・経済の変化への対応を図り国民一般に分かりやすいものとする等の観点から、国民の日常生活や経済活動にかかわりの深い契約に関する規定を中心に見直しを行う必要があると思われるのでその要綱を示されたい」と示されています。
民法は、国民にとって分かりやすいものでなければならない、そして使いやすいものでなければならない、そういった方向で改正はなされていきました。
今回の債権法改正は、国民の目線に立つという重要な視点にたった大きな改正であることは間違いありません。
私達弁護士も債権法改正に伴い、再度、研鑚を積む機会を与えられました。
当事務所内でも若手弁護士を中心に勉強会の実施を積極的に行っています。
さらに地域の皆さまに分かりやすい説明を心がけ、弁護士、スタッフ一同、知識を一層ブラッシュアップして参ります!